中四国どうぶつ眼科

獣医が教える!白内障治療と予防法

獣医師の皆様へ

獣医が教える!白内障治療法

獣医が教える!白内障治療法

2023/07/31

愛するペットが白内障になると、視力低下や失明といった深刻な問題を引き起こすことがあります。しかし、近年の獣医の技術の進歩により、白内障の治療はますます進化し、ペットの視力を回復することが可能となっています。本記事では、獣医が最新技術と予防法について教えることで、飼い主の皆様に白内障について理解を深めていただき、愛するペットの視力を守るための情報を提供します。

目次

    白内障とは?

    白内障とは、獣医においても頻繁に見られる疾患です。眼球内の水晶体が濁ってしまい、見え方が悪くなっていく症状がみられます。犬や猫などのペットにも発症し、高齢化や遺伝的な要因が関与することが多いです。また、糖尿病や網膜疾患、外傷や薬剤の副作用など、さまざまな要因によって発症することがあります。 一般に白内障は、初期の段階では症状があまり現れず、見え方がぼやけたり色あせたりする程度です。しかし、病気が進むにつれて濁りが強くなり、最悪の場合は全く見えなくなることもあります。そのため、早期発見・治療が非常に重要です。眼科検査で診断し、水晶体の内容物の除去と眼内レンズの移植の手術をすることが治療の主流となっています。手術後はエリザベスカラーの装着や点眼と内服での治療などが必要ですが、ほとんどの場合は症状が改善し、正常な生活を送ることができます。 ペットの健康を守るためにも、定期的な健診や早期発見・治療に努めることが大切です。白内障の症状が現れた場合は、専門医に相談することをおすすめします。

    白内障の原因とリスクファクター

    白内障は、眼球内の水晶体というレンズが混濁することで、視力を低下させる病気です。獣医師が扱う場合、主に犬で見られます。白内障の原因は、老化や疾患、事故や外傷、遺伝などが考えられます。 また、白内障のリスクファクターとしては、遺伝的な傾向、糖尿病、低カルシウム血症、網膜視細胞からの毒素の影響などが挙げられます。特に遺伝的な要因が強い場合、同腹の動物たちで白内障が発生する可能性が高くなります。 白内障は、早期発見・早期治療が重要です。獣医師による定期的な検診や健康管理が必要となります。また、遺伝的要因が考えられる場合、犬や猫を選ぶ際には、親犬の健康状態や病歴を調査し、リスクファクターを把握した上で、適切な対策を取ることが望ましいです。

    白内障治療の方法

    白内障は、獣医で最もよく見られる疾患の一つです。これは、加齢性変化によって引き起こされ、水晶体の濁りによって視力の低下を引き起こします。また、白内障から虹彩や毛様体といったぶどう膜の炎症が生じ、さらには緑内障や網膜剥離などによって失明してしまうこともあります。現在の白内障治療の主な方法の一つは、水晶体超音波乳化吸引術 (PEA)です。これは、外科的な手技によって、超音波で水晶体を分解して除去する方法です。この水晶体の袋を残して水晶体内容を除去する治療により、犬や猫の視覚を改善することができます。 また、水晶体内容を除去した後に水晶体の袋へ人工の眼内レンズ(IOL)を移植するIOL移植も併用されます。この人間の白内障手術と同様の治療法により、犬や猫の視力を改善し、白内障そのものによる合併症を予防することができます。 治療法の選択は、患者の状態によって異なりますが、動物の視力を回復する可能性の高い治療法を選択することが大切です。

    白内障手術のリスクと注意点

    犬や猫でも高齢化にともない白内障がみられることが多くなっています。白内障は、水晶体が透き通っていなくなり、視界がかすんだり、全く見えなくなる原因となる病気です。白内障の治療には手術がありますが、手術にはリスクが伴います。手術中に麻酔を使用するため、心臓や呼吸器の問題がある場合は手術ができないことがあります。 また、手術後は長期間にわたる点眼治療が必要で、眼を掻くことへの予防のためにエリザベスカラーの装着をする必要があります。手術後の経過観察も重要で、湿疹や赤み、充血などが見られた場合は迅速に対処する必要があります。手術の前には必ず血液検査やレントゲン検査といった麻酔前検査を行います。 手術後の経過が順調であれば、犬や猫は視力を取り戻すことができ、普段の生活を送ることができます。しかし、手術後の注意点をしっかりと把握し、十分なケアをすることが、視覚改善につながります。獣医師としっかりと相談し、患者さんに合った手術方法やアフターケアを行いましょう。

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